The passing heart

「どうしたんだよ蓮。元気ないぞ?」


「元気だよ」


心配そうに覗きこんでくる奏翔に小さく笑顔を見せた。


「ならいいけど。明日は父ちゃんの命日だろ?」


お父さんは2年前に死んだ。

事故・・・・・で。


それは奏翔も知ってる。



ただ、事実を知らない。


命日・・・・・。


「うん・・・・」


「行くんだろ?」


「行くよ」


「なら笑ってろ!んな顔して行くと父ちゃん悲しむぞ」


「うん」

また嘘を重ねる。