吹き抜ける真冬の風が、俺をも巻き込んで通り過ぎる。
無意識のうちに身震いをしながら、家路を急いだ。
ガチャリと慣れた手つきで鍵を開け、部屋に入るなり暖房のスイッチを入れる。
西日が筋になって射し込むほどの、日当たり良好な部屋。
大学生になり、念願叶って手に入れた俺だけのお城は、勿体ないほどに広い。
帰ってきてもテレビをつけることもなく、この静かな空間を楽しむ。
俺だけの世界に居るようで、堪らなく安心する瞬間なんだ。
見上げた天井に、アイツの顔を思い浮かべて。
そんな自分に苦笑いを浮かべながら、巻いていたマフラーを外した。
暖房から吐き出された熱気が部屋をまんべんなく包み込んだ頃、
やっと凍っていた俺の脳みそが活動を始めて。
“今日は何をしようかな”なんて、考えてみたり。
―ガチャッ…
「―――ッ!」
突然に、静かな部屋に響いた無機質な金属音に驚き俺は、音のした方に顔を向けた。
そこに居たのは、普段から不機嫌そうな顔を一層不機嫌にさせてこちらに足を進める男。
『…おはよ。
つーか、何時?』
その言葉にため息を吐きだし、腕時計に目線を落とした。
「…4時だよ、もちろん夕方のね。
兄貴、いつの間に帰ってたの?」
『…わかんねぇけど。
多分、太陽が真上にあったと思う。』
俺の言葉に兄貴である“隆志”は、やる気なく髪の毛をかき上げた。
「…あのさぁ。
毎度毎度こんなこと言いたく―――」
『美緒は?』
俺の言葉を遮り兄貴は、キョロキョロと辺りを見回して。
いつもながらこの態度は、弟の俺をイラつかせる。
無意識のうちに身震いをしながら、家路を急いだ。
ガチャリと慣れた手つきで鍵を開け、部屋に入るなり暖房のスイッチを入れる。
西日が筋になって射し込むほどの、日当たり良好な部屋。
大学生になり、念願叶って手に入れた俺だけのお城は、勿体ないほどに広い。
帰ってきてもテレビをつけることもなく、この静かな空間を楽しむ。
俺だけの世界に居るようで、堪らなく安心する瞬間なんだ。
見上げた天井に、アイツの顔を思い浮かべて。
そんな自分に苦笑いを浮かべながら、巻いていたマフラーを外した。
暖房から吐き出された熱気が部屋をまんべんなく包み込んだ頃、
やっと凍っていた俺の脳みそが活動を始めて。
“今日は何をしようかな”なんて、考えてみたり。
―ガチャッ…
「―――ッ!」
突然に、静かな部屋に響いた無機質な金属音に驚き俺は、音のした方に顔を向けた。
そこに居たのは、普段から不機嫌そうな顔を一層不機嫌にさせてこちらに足を進める男。
『…おはよ。
つーか、何時?』
その言葉にため息を吐きだし、腕時計に目線を落とした。
「…4時だよ、もちろん夕方のね。
兄貴、いつの間に帰ってたの?」
『…わかんねぇけど。
多分、太陽が真上にあったと思う。』
俺の言葉に兄貴である“隆志”は、やる気なく髪の毛をかき上げた。
「…あのさぁ。
毎度毎度こんなこと言いたく―――」
『美緒は?』
俺の言葉を遮り兄貴は、キョロキョロと辺りを見回して。
いつもながらこの態度は、弟の俺をイラつかせる。