上履きを見る。
あたし達と同じ色。
先輩じゃなくて良かったと一安心するけれど、そういう問題じゃない。
「聞いてる?」
このままどっかり座っているわけにはいかない。
普通に考えてあたし達が悪いんだからどかなきゃいけないのに、琴子は全く動こうとしない。
「琴子…あの、後ろに…」
あたしがそう口を開いたとき。
ニコリと、琴子のグロスがたっぷりのった唇が綺麗な弧を描いた。
「あたし達にここ譲ってくれないかなぁ?」
ぎょっと目を見開いたあたし。
目の前の琴子が、
「ね? お・ね・がいっ」
ぶりっ子悪魔に変身していた。
まさかこんなスキルを取得していた子だったなんて…。

