なんとかあたしは台本どおりやっていく。
アドリブなんてそう簡単に使えるもんじゃない。
ってか使いたくない…。
ストーリーは後半へ。
上手くいってる。
やはり後はあたしが涙を流すだけ…。
ステージでは慎也先輩と美空先輩が言い合っている。
あたしは袖で自分の順番を待っていた。
滝のように汗が流れ出る。
タオルで拭いても拭いても流れてくる。
諦めてタオルを椅子の上に置いた。
かなりの熱気。
気を抜けば、眩暈を起こして倒れそうだ。
「…はぁっ…」
まるでランニングの後のような息遣い。
そんなあたしを見て、弥生先輩がペットボトルを渡してくれた。
「大丈夫?」
「あ…ありがとうございます…」
みんな汗だくだ。
それだけ本気な証拠。

