ダメ。
こんな不安だらけのまま、あのステージに立つことは絶対に許されない。
進むために。
今までの自分にバイバイするには、しっかりと満足してからあのステージに立ちたい。
今から?
そう先輩は思っただろう。
けどあたしの瞳を見て、口元を緩ませた。
「いくらでも」
あたしの顔は一気に花が咲いたような笑顔になる。
「ありがとうございますっ!」
あたしは大きく頭を下げた。
そして顔を上げたとき、慎也先輩の顔の近さに驚いて後ずさってしまった。
「?!」
「可愛いよねぇ香澄ちゃん」
この言葉がどんな意味を含んでいるのかは分からない。
けど好きな人にこんなことを言われて、嬉しくない人なんてどこを探してもいないだろう。

