あたしだって、本気でやればできるはず。
あたしにとっては賭けだった。
絶対に失敗はできない。
「そ?意気込みいいね。香澄ちゃんできるんだから、自信持って一緒に頑張ろうね」
「はい!お願いします!」
あたしは満面の笑みでそう返した。
先輩を見送ってから教室に戻る。
さっきの3人はまだ琴子と話しているみたい。
戻ってきたあたしに気づいてのか、その3人はあたしに駆け寄ってきた。
「荒木さん!今度の文化祭で主役やるんだって?!」
「かなりカッコいいー!」
「あたし絶対見に行くよ!頑張ってね!」
口々にそう言う3人。
あたしはこの子たちと全く話したことがない。
あっても、あいさつとかそんなもの。
名前だけ知っている、そんな感じ。

