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「で。かなり上手くいきそうだ、と?」



「うーん…分からないけど、昨日よりはなんとかなるかなぁ?」



なんだその曖昧!と突っ込まれた。



騒がしい教室内。


あたしは琴子に気づかれない程度に、ワーキャー野球中の男子生徒を睨んだ。



琴子はジュースを啜りながら小さく笑った。



「ってか香澄がいきなり主人公とか笑えるよね」



「…っし、失礼な!」



でも実際誰だってそう思うだろう。


なんでいきなり1年が主人公なんだ?って。



だからこそ、あたしはみんなよりも頑張らなくてはいけないんだ。



弥生先輩に後悔させないように。


美空先輩に認めてもらえるように。


そしてなにより、慎也先輩に褒めてもらえるように。