これは感動ストーリー。


観客を泣かせるか、つまらなかったで終わらせるかはあたし達の腕の見せ所。



あの時の白雪姫のように観客も全員一緒に混ざることができるような、あんなオーラにしたい。


あんな演劇にしたい。



あたしと先輩はこれからのことをいろいろ話した。


くだらない事でもあたしは嬉しかった。



笑ってくれると嬉しい。


香澄ちゃんって呼んでくれると胸が高鳴る。



リノアもそんな気持ちなんだよね?



時計の針が2つとも真上で重なったとき。



「じゃあまた明日。頑張ろうね」



「はい!おやすみなさい」



あたし達はお互い同じ道を見つめたまま電話を終了させた。