分かっていたけど気づかなかった。 今になってやっと気づけた。 あたしの周りはこんなにもキラキラしていたんだ。 あたしはもう―――1人じゃない。 美空先輩は本を読んだまま、無言で小指をひょっこり出した。 弥生先輩は涙目で笑っている。 あたしはなんて幸せ者なんだろう。 初めて思った。 あたしは、幸せ者だ。 「ありがとうございます…っ」 ここは心が温かい人ばかりだと思った。