手を伸ばしても見えない光だってある。 もがいたって抜け出せない闇はある。 「香澄ってさ、本気で何かやったことあるの?」 何かを悟ったように、琴子が真剣に質問してきた。 琴子の目があまりにも真剣すぎて、あたしは目を逸らすしかなかった。 本気…? そんなの…あるわけないじゃない。 面倒なことは捨ててきた。 全部投げ出してきた。 中途半端に。 そう、全て。 あたしの中に、本気や努力なんて言葉はない。 多分生まれたときから。 ずっと。