「行くぞ」 ヒロに連れられ、見たことのある場所を通り過ぎる。 ドキドキしている間に、海についた。 ー青く澄んでる…キレイー…。 「来いユーリ!」 ヒロは靴を脱ぎ捨て、海に向かって駆けていった。 海と空を背景に、ヒロの満面の笑顔。 なんだか、泣きそうになった。 「…ばーか」 涙をこらえて走り出す。 波打ち際で水を掛け合ったり、貝を拾ったり、追いかけっこをしたり…。 初デートの思い出と、今の情景を重ね合わせたり。 思い出話をしたり…。 気がつくと、もう空がオレンジ色に染まりかけていた。