あたしは、受信メールを確認してケータイを閉じた。
「いってきまーす!」
「いってらっしゃい」
玄関を出ると、家の前には見覚えのある車。
背が低くて、しなやかな形のシルバーの車は頼城先生のもの。
助手席の窓をノックすると、先生は中からドアを開けてくれた。
「おはよう」
「おはようございます。すみません、わざわざ」
「いや、俺は構わないけど……悪いな。奏には時間が早すぎるだろう」
「大丈夫ですよ! 送っていただけるだけでありがたいですから!」
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