恋歌 〜secret love〜

「いいって!今日のお礼ってことで! ただし、彩乃っ!1人じゃ淋しいからついてこい!」


「えーっ?…………まぁ、良いけど」


「はっ!? ちょっと、彩乃も行くの?」



彩乃が行ったら、あたしは頼城先生と……



「それなら俺が行こうか?車あるし。勇人も待っててくれていいぞ」



先生は、静かに言って立ち上がった勇人を見た。


「良いんだよ! 学校の中にある自販機に行くだけだし。それに、年寄りは大切にしろってばあちゃんに言われてるからさ」



先生の肩に手を置いて、にやりと笑いながら言った勇人は、彩乃の手を引いて笑いながら出ていった。



「年寄りって……俺まだ25だし……」



茫然としながらぼそっと呟いた先生が可愛くて、あたしはつい笑ってしまった。