「よしっ!彩乃ー、待たせてごめんね。終わったよ!」


「おっけー。じゃあ食べよ」


「いつもの如く気合い入ってるねぇ、彩乃ママ」



そう言うと彩乃は苦笑いをした。


「でしょー?毎日としっかりとしたもの作ってくれるけど、奏と勇人が来る時は妙なところに力入れるのよねぇー。これとか」



そう苦笑いしながら、彩乃はタコの形をしたウインナーを食べた。



「ところでさ、今日は買い物行くんだよね?どこ行く?」


「あっ、それなんだけどさ、ちょっと予定変更しない?」


「変更?」


「そう!」



気のせいかな?

彩乃がにやりと笑った気がする。



何か企んでるんだろうけれど

彩乃があたしにとってマイナスになることなんてしないはず……



「いいよ。今日はいっぱい話聞いてもらったし、彩乃に付き合う」


「奏、ありがとー!!勇人にはもう頼んであるし……台所を使う許可ももらったし……気合い入れていくわよ!奏!!」


「……?うん」



頭にはてなマークが散乱するまま、あたしは彩乃に返事をした。