「終ーわりっ!と……奏は?」


「んー……、あとこの問題集で終わり」


「そ? じゃあ、あたし朝食運んでくるから、その間にでもやっちゃって」


「りょーかい」



あたしの返事を聞いてから、彩乃は部屋を出ていった。



今は7時50分。



宣言どおり8時までに課題と予習を終わらせた彩乃は、やっぱりかなり優秀なんだと思う。



あたしは、というと、英語の文法演習の問題集に今から手をつけるところ。



予習は最初に終わらせてたから、これで最後。



でも、いつもよりもハイペースでやったせいか、徹夜のせいか

ものすごく体が疲れてる気がする。




あたしが問題集の答え合わせを始めた頃に、彩乃はお盆に食べ物とお茶を乗せて戻ってきた。



「あっ、もう少しね。それ終わったら、一緒に食べよ」


「うん。ありがとう」



彩乃が持ってきた朝食は結構ボリュームがある。


ご飯に味噌汁。

卵焼きにほうれん草のお浸し。

綺麗にタコやカニの形になっているウインナーと、デザートのヨーグルト。



いつもあんまり朝食を食べないあたしにとっては、結構珍しい光景かも……