あれは中学1年生の時。



あたしはその頃、シンガーソングライターに憧れてた。



小学生の頃から作曲のコンクールに出場して、ときどき賞も貰ってたあたし。



コンクールに出てる話は、中学校でも先生の耳に届いてたと思う。



回を重ねれば重ねるほど、はじめは外発的だった作曲に対する動機は

いつの間にか内発的なものになっていって……



それに加えて、あたしは曲を作るだけじゃ満足できなくなってた。



この欲求不満な状況から生まれたのが、シンガーソングライターって夢。



曲を作りたい。


詞を作りたい。


歌を作りたい。


歌を、歌いたい。 広めたい。



日に日に膨らむ思いに比例するみたいに

あたしの頭の中はメロディーで溢れていって……

手元は、完成した歌の楽譜でいっぱいになった。