「でも、直接言ってくれないとわかりませんっ!あたし、そんなに成績良い方じゃなかったし……」


「ちゃんと成績伸ばして大学入った奴のセリフじゃないだろ、それ……」



はぁ、っと小さく溜息を落とす先生を見て、あたしは小さく笑った。



そんなあたしの頭にぽんっと手を置いて、先生があたしに視線を合わせる。



「……好きだよ。俺も」


「先生……」


「勇人が前に、教師と生徒だと禁断だとか何とかって言ってたけど……もうその心配もないだろ」



にやりと笑った先生を見て、あたしも思わず笑った。



“禁断”なんて要素があたし達とは無縁すぎて……何となく可笑しい。



「そう言えば、お前はずっと、こんなところにいて平気なのか?」


「へ?」



余韻に浸るあたしに向かって、先生がきょとんとしながら言った。


ばっと手元のケータイに視線を落として、時間を確認する。



「やばっ! あと15分で戻らなきゃっ」



そう言って慌てて顔を上げると、先生が目を見開いた。



「きゃっ!」