「ちょっとコンビニに寄っても良いか?」



みんなで荷物を運んで少し車を走らせたところで、頼城先生が口を開いた。



「はい。あ……ちゃんと大人しく留守番してるので」



「あぁ、頼むよ」



大きく笑いながらそう言うと、先生は慣れた手つきでコンビニに車を止めた。



「鍵、抜いても平気か?」


「はい。大丈夫です」



「すぐ戻る」



軽く首を縦に振ると、先生はにっこりと微笑んでから車を降りた。



少ししてから、大袈裟に鍵を閉めた音が響く。



先生がコンビニへ入ったのを見届けてから、あたしは大きな溜息を落とした。



「彩乃のばか……」



全部ウチにあった物だって彩乃が言ったお弁当箱と水筒。


でも、ウチの物なのは半分だけで、その他は彩乃のウチのだ。



確かに、全部合わせたら袋3つ分あるし

自分の鞄と合わせたら運びにくい量だけど……



「普通にすれば持って帰れるじゃん……」



つまり、これは彩乃が仕組んだってことでしょ?



あたしは、ブレザーのポケットで揺れたケータイを取り出して、送られてきたメールを開いた。