片付けが終わりかけた頃、勇人が気の抜けた返事をした。
あまりにもその声が大きかったから、俺も作業を止めて勇人を見る。
「奏の家に水筒とかお弁当箱とか大きいのがたくさんあるって言うから持ってきてもらったのよ。
数的にはちょうど良かったけど、これを全部持ってきたと思うと……危なくて見てられないわ」
「彩乃の言う通りだよ。これを全部持ってチャリは危ない。
つーか、電車でよく恥ずかしくなかったな……。
安心しろっ! 今回は隆夢ちゃんカーがあるから!」
「え……?」
心なしか、にやりと笑った勇人と桐渓さんを見て、俺は小さく溜息を吐いた。
何かの作戦だったりしねぇだろうな……
無駄に勘の良い勇人のことだから、何か企んでてもおかしくない――――
そう思いながらこっそりと奏に視線を送ると、慌てたみたいに目を泳がせていた。
「わかったよ。その代わり、車まではお前らが荷物運べよ」
「えっ!?」
企んでるなら、乗ってやる。
「ほら、早く行くぞ!」
弁当箱の入った鞄を1つ掴んで、俺はドアに向かった。
「さっすが隆夢ちゃんっ!」
背中では、勇人の楽しそうな声が響いていた。
あまりにもその声が大きかったから、俺も作業を止めて勇人を見る。
「奏の家に水筒とかお弁当箱とか大きいのがたくさんあるって言うから持ってきてもらったのよ。
数的にはちょうど良かったけど、これを全部持ってきたと思うと……危なくて見てられないわ」
「彩乃の言う通りだよ。これを全部持ってチャリは危ない。
つーか、電車でよく恥ずかしくなかったな……。
安心しろっ! 今回は隆夢ちゃんカーがあるから!」
「え……?」
心なしか、にやりと笑った勇人と桐渓さんを見て、俺は小さく溜息を吐いた。
何かの作戦だったりしねぇだろうな……
無駄に勘の良い勇人のことだから、何か企んでてもおかしくない――――
そう思いながらこっそりと奏に視線を送ると、慌てたみたいに目を泳がせていた。
「わかったよ。その代わり、車まではお前らが荷物運べよ」
「えっ!?」
企んでるなら、乗ってやる。
「ほら、早く行くぞ!」
弁当箱の入った鞄を1つ掴んで、俺はドアに向かった。
「さっすが隆夢ちゃんっ!」
背中では、勇人の楽しそうな声が響いていた。