気付けばそこに君がいて
気付けば歌がそこにある
ただただ願う、あの夜を
今にも捨てて飛び立とう
望んでばかりの明日とか
頼ってばかりの昨日とか
よくやったね、と誉められない
静かなあたしはもういらない
蝋燭でも灯しましょうか
例えば道に迷っても
必ずここへ戻れるように
難しいことなど何もない
乗り越える勇気を持てばいい
気軽に言えた言葉じゃないけど
もう諦めないと決めたから
小さく大きく歌うよ secret love
前に勇人と電話で話したあの日
この歌の歌詞をよく見るように言われたことを思い出す。
あれから何度か……
気持ちが沈んでいたり、力を出したいと思ったりした時に眺めるようになった歌詞。
何度か心の中で読み返すと
自然にあったかい気分になれる気がした――――
……それに、自分がそう感じる理由も、何となくわかる気がする。
ただ、勇人の言った言葉の意味は今だにわからない。
今日、この演奏を……奏を見たら、その答えは出るんだろうか……?
そう思って奏を何気なく見つめると
顔を真っ赤に染めた奏が、一瞬で視線を落とした――――


