「え?勇人も知らなかったの?」


「あぁ……。センターの後はお互いに結果聞きづらくて……」


「お互いにってゆーか、勇人が気にしてたんでしょ?」



紙コップを持った彩乃が、眉間にしわを寄せて言った。



少し冗談っぽく言う彩乃の結果は、あたしも知らない……。



「あたしは、後期の結果を待ってるとこ。

……でも、たぶんダメだと思う。あたし、センターでかなりこけたのよ。

だから今年は、ほぼ記念受験」


「じゃあ、私立か? 受かってただろ?」


「それも思ったけど……やめたわ」


「え?何でー?私立だったら俺と一緒なのにー」



頬を膨らませた仁志くんを見て、彩乃が大きく笑った。



結果を気にしてるのかと思ったけど、そんな様子も見えなくて

思わず首を傾げる。



「あたし、浪人すると思う。

だって、満足出来る合格掴まなきゃ、自信もって大学生活を送れないと思わない?」