「奏ちゃん! 彩ちゃん!」


「さとみちゃん! どうしたの?」



教室の扉の辺りに立ってたあたし達に気づいて、同じクラスの子が走ってきた。



「私、今日が発表だったんだけど……」


「あぁ、前期の?」


「そう。
奏ちゃんと彩ちゃんの発表がまだだって聞いたから、言おうか迷ったんだけどね……。

私、合格だったの!」



にっこりと微笑んでそう言ったさとみちゃんは、本当に嬉しそうだった。



「すごい! 良かったね!」


「おめでとう!さすがね」


「ありがとう。

2人とは仲良くしてもらってたから、やっぱり知ってもらいたくて……無神経だったかな?」



彼女は、そう言って少し不安そうな顔を見せた。



「そんなことないわ。

同じクラスで一緒に頑張って来た人の結果って、気になるじゃない?」


「そうだよ!

それに、仲良い子の進学先がわからないなんて淋しいしね」