「自信を持って。

俺は、奏のことを、自信を持って試験会場に送り込める」



どこからそんな自信が……


そう思いながらも、確実に頼城先生の言葉に救われるあたしがいる。



「奏……聞いてるのか?」



先生が、少し声のトーンを落として言った。


いつもよりも少しだけ低い音だったけど、耳にすっと入り込んでくる。



「聞いてる……。聞いてますよ。ちゃんと」


「だったら良いんだけどな。試験が終わったら、連絡してくれよ」


「はい」



少し顔を上げてから、こくん、と頷く。



「東京に行くのは、明日だったよな」


「はい。明日のお昼くらいに、新幹線で。

明日は、学校の近くのホテルに泊まります」


「そうか。気をつけて戻って来いよ」