勇人ががっちりつかまえて放さない頼城先生を呼び止めるのは、なかなか難しかった。



だけど、あたしだっとここで遠慮してるわけにはいかない。



先生が好きだとか

緊張して顔を見るのが大変とか

職員室に入りにくいとか



そんな今までに感じていた躊躇いを全部とっぱらって

正面から思いっきりぶつかった。



地場の馬鹿力みたいなものなのかな……?



「今は受験に集中しなきゃ!」



そう思ったら、何だか視界がぱっ、と開けた気がした。



それに、あたしには手段を選んで小さくなってられる余裕なんてないしね。