恋歌 〜secret love〜

「そういえば勇人、このバンドのグループ名って何?」


「あ……」


「まさか、考えてない?」



ある程度静まったところで出た彩乃の言葉に、あたし達は固まった。


勇人も何も答えない。



つまり、バンド名は、まだない。



「どーすんだよ勇人ー!何か候補とかないのー?」



若干のばし気味にゆったりと話す仁志君の声が、静かな音楽室に響いた。



「よし!じゃあ、みんなで考えよーぜ!」



勇人に言われて、それぞれが頭を悩ませた。


漢字だと堅苦しいし、恐い。

カタカナは何となく格好悪い。


くだらないものから真面目なものまでいろいろ案は出るけど

決まる気配なんて全くない。