『何か良い変化があるかもしれないし』 信じても、良いのかな……? 少しの間だけなら…… あたしは夢を見ても良いのかな? 「頼む!奏っ!」 「奏、あたしからもお願いして良い?勇人もこんなに必死だし。 それに……奏がステージで歌う姿を見てみたいのよ」 「押端さん?」 頭を下げる勇人達。 まっすぐあたしを見る彩乃。 そっと微笑む頼城先生。 不安がない、って言ったら嘘になる。 本当なら、もう逃げ出したい。 だけど、みんなを…… 頼城先生を見たら、“歌いたい”と思った。