「今から解答と自己採点の結果を記入する紙を配る。

マークシートになってるものは、業者に提出して志望校判定をしてもらうやつだからな。各自、絶対にミスがないように注意しろよ!」



騒めきが完全に消えたとは言い切れない教室。


そこに、森田先生の声が広がった。



あちらこちらで、かさかさ、と紙を動かす音が鳴る。



「…………よしっ!」



背筋を伸ばして、配られた紙と見つめ合った。



もう、信じるしかないんだ――――



精一杯頑張ってきた自分が出した結果を、確認するだけなんだから。


それにまだ、これは終わりじゃない。



つまり、ただの中間発表会なんだよね。



怖がるのも、後悔するのも、今日が最後じゃないんだ……――――




そう言い聞かせて


あたしは、赤いペンを握った。