恋歌 〜secret love〜


当時何度も自分で考えていた疑問を、勇人が1つずつ解いていく。



相変わらず、もやもやと淀んだ気持ちは拭いきれない。


でも、過去を語る自分の心境が、意外にも普段と変わらないことに気付いた。



「確かに、俺がいた。でも、たまたま予備校の前で会った“友達”に、だんだん気持ちが向いていったんだと。

そこで普通の奴なら別れるんだろうがな……。

親を黙らせておくために、そのまま俺と付き合っておきたかったらしい」


『だったら、彼氏がいれば良いんだから、その“友達”が彼氏になれば良かったんじゃねーの?』


「さっき親の話をしただろうが。古典的な考え方だった。浪人してる男が彼氏じゃ、認めてもらえなかったんじゃないか?

男はそれなりの学歴で、それなりの収入を得そうな奴じゃないと駄目だってな」



当時あれだけ悩んで、あれだけ俺を苦しめた出来事。



それなのに、俺のこの落ち着き具合は何だ?



もう、“過去”ってことか――――