『隆夢ちゃん……今くらい嫌味言うこと忘れたらどうなんだ?』
呆れたようにそう言ってきた勇人に、少しむっとする。
「嫌味くらい言わせろよ。そいつは2浪、俺は現役で入ったんだから」
『さすが隆夢ちゃん』
「どうも。
それで、2年の3月……つまり、そいつが大学に受かった後に振られたんだ。『実は、1年前から付き合ってました』ってな」
自嘲気味に笑うと、味気ない空気が部屋を抜けた。
『それって、二股?』
「そうなるな。しかも、“友達”の方はそのことを知ってたらしい」
『はぁ!?』
「彼女の親が結構古典的な思考の持ち主でな、“女の子は勉強よりも早く結婚して幸せになるべきだ”って言ってたんだよ。
だから、“彼氏”はいた方が良かった」
『だったら、隆夢ちゃんで良いんじゃねーの?』


