「勇人はさー、今も隆夢ちゃんのとこ行ってるのー?」
帰り道。
阪崎くんと六濱くんとはすでに別れた後
信号待ちの時に、仁志くんが言った。
「あぁ。志望がそっち系だから、勉強は見てもらってるよ。
何か、隆夢ちゃんの頭の良さを毎回見せ付けられてるだけな気もするけどな」
「確かに、頭良さそうだよなー……」
仁志くんが相づちを打ったところで、ちょうど自転車のペダルを動かし始めた。
肌寒い風が、容赦なく頬を刺す。
その力強さに顔をしかめた時、勇人がいきなり大きな声で叫んだ。
「悪い、奏! 大事な伝言忘れてたっ!」
「勇人!後ろ向いたら危ないよ!
とりあえず落ち着いて、前見てしゃべって」
「あ、ごめん。ありがと」
慌てて体勢を整えてから、勇人がまた口を開いた。


