白。 赤。 黄色。

……青。



目の前に佇む黒板は、もう黒板じゃないみたいだ。



森田先生がものすごいスピードで書き綴る数字を、必死で追い掛ける。



家で解いてきた問題の半分は間違い。



でも、今はそんなことを気にしてる場合じゃない。



家で復習できるように、って準備をするので精一杯だった。



「じゃあ、今日はここまで」



授業が終わって先生が出ていった瞬間

あたしの体からは一気に力が抜けていった。




今の、森田先生の数学で今日の授業は終わり。


森田先生が戻って来たら、ホームルーム。


それ以降は、自由時間。



窓の外を眺めながらぼけっ、とホームルームをやり過ごしたあたしは、そのまま机に突っ伏した。