大きく拍手が鳴り響く中、ステージの雰囲気が変わった。



男子生徒4人組の後に出てきたのは、俺が鶯加高校に赴任してから一番よく一緒にいる5人。



先頭を歩く勇人の真直ぐな背中と目が、そこに溢れる自信を強調してるみたいだ。



「頼城先生! 隣、いいですか?」



俺が返事を返す前に、桐渓さんがすっと座った。



「どうでした? みんなの様子」


「奏は少し緊張してたみたいですけど、あとのみんなはめちゃくちゃ落ち着いてますよ。

さすがに自信も実力もそれなりにある人間が集まると違いますねー」 


「結構ストレートに言いますね。勇人も大変だ……」


「まぁ、2人きりの時はちゃんと勇人を立ててるから大丈夫じゃないですかね?

こう見えてもあたし、人に甘えるの好きなんですよー」



桐渓さんが、綺麗な笑顔と共にそう言い放った。


それを聞いて、思わず俺の頬も緩む。





「こんにちは。PEACEのステージへ……ようこそ」



その時、少し高めの奏の声が、体育館に響いた。