「お前等、練習しなくて良いのか?」
いきなり声が聞こえたかと思ったら、ドアの傍に頼城先生がもたれかかっていた。
呆れたみたいなその声に、不覚にもどきっとする。
「うわー、もう教師モード終了? 学校の中なのにさー。不良教師?」
「阿呆か。だから、敬語もなかなか疲れるんだって。お前らの前でくらい気抜かせてくれよ……。
それより、ずいぶんゆっくり食事してるけど、PEACEの準備はちゃんと進んでんのか?」
仁志くんの軽い挑発に驚いた様子も見せずに、頼城先生が言う。
頼城先生は、夏なのに全身真っ黒だ。
シャツも、長そでのものを肘のところまでめくっているだけ……。
「曲自体は全部完成したよ。あとは、弾き込んで、合わせていかなきゃいけないだろうけど。
実際に演奏してみたら、イメージと違うって可能性もあるし……」


