にやにやする彩乃を軽く睨んで、あたしは窓の外に目を移した。



夏真っ盛りの雰囲気を漂わせる大きな白い雲が、青空いっぱいに広がってる。




放課後。


人がいなかったから、今日は彩乃の提案で、教室で勉強をすることにした。



黙々と勉強をする彩乃と違って、途中で飽きちゃったあたしは

ルーズリーフを取り出して歌詞を考えてたってわけ。



「まぁ、それが影響してないと言えば嘘になるけど……」


「だよねー。かなり優しかったんでしょ?」


「うん」



そう。


質問に答えてくれた時の頼城先生は、予想以上に親切に接してくれた。