「うーん……ちょっと物足りない印象があるかな。でも、これからアレンジすることを見越して考えれば、これくらいがちょうど良いのかな?」


「確かに。楽器は豊富だしな、俺達。結構良いバランスになるんじゃないか?
奏の声にも合いそうだし……」



最後まで惹き終わった六濱くん。


それと同時に、みんなが思ったことを次々と話し出した。


自分の作ったメロディーが流れてる間は、この時間が終われば緊張も解けるかなって思ってた。



だけど、実際はこうやって議論されてる時間の方が何倍も辛い。



「そうだな。これならいけるんじゃないか? 俺も結構好きなメロディーだし!」



人一倍明るい勇人の声が響いて、あたしは思わず顔を上げた。


にっこり微笑む勇人を見て、あたしまで頬が緩む。