「なるほどねー。何か、その真面目具合が奏っぽくて良いのかも。謙虚ってゆーか、何てゆーか……。

できることがあったらあたしも協力するし、何でも言ってよね」



彩乃は、軽くウインクをしてこっちを向いた。



「ありがとう、彩乃」


「うーん、でもねぇ……。隆夢ちゃん的には、もう奏は十分特別な生徒になってるとは思うのよ……。
もう少し、自信を持ってみたら?」


「何を根拠にそんなこと……」



少し考え込む顔をする彩乃に、あたしは戸惑うしかなかった。



だって、あたしが特別な理由なんて何もないし……――――



むしろ、他の子みたいに質問をしたり、話しかけたりしない分、先生と過ごす時間は短いはずだし


……他の子の方が可愛く見えるものなんじゃないかな?



「何でも良いじゃない!そんなこと。
とりあえず、奏は一生懸命曲を作っちゃうことね!今はそれが一番大事なんじゃない?」