恋歌 〜secret love〜

「え?」



いきなり聞こえた声に、みんなが一斉にドアの方を見た。


胸のあたりで両手を組みながら、頼城先生がドアにもたれかかってる。



「おっ!隆夢ちゃん聞いてたんだー!しかも敬語じゃねーし。
……で?実際どうなの?」



すっかり片付けを終えた仁志くんが、楽しそうに先生に聞く。


何となく彩乃に視線を移すと少し困ったみたいな顔をしてるし、勇人は呆れた顔で見ていた。



「3年くらいいないな。まぁ、特別に作ろうとかも思わないけどな。これ、面倒だから他の奴には言うなよ?

それで、慶介はどうなんだよ」


「俺? 2ヵ月前に別れたからそれ以来いないよー。受験がどーとかってもめてめんどくさかったから、高校卒業するまで彼女なんていらない」



大げさにぐったりした仁志くんが、少し可愛い。


そんな仁志くんを見て笑いながら、あたし達は音楽室を出た。