恋歌 〜secret love〜

「あのさー、いつも不思議に思ってたんだけど……」


「何?」



練習の後。

片づけの途中で、仁志くんが口を開いた。



「隆夢ちゃんってさ、彼女がいる……ってゆー話聞かなくない?
不思議じゃね? ホストだし背も低いけど、頭も性格も良いんだからさ」



確かに……。


彼女なんていてほしくないとは思うけど、先生の年齢的に考えても、噂が1つもないのは少し不思議だ。



「秘密にしてるだけってこともあるんじゃない?生徒に自分の彼女の話なんてしないでしょ、普通」


「だよなぁ。アイツ、そーゆーの話すタイプには見えねぇし」



思わず苦しくなった胸に気まずさを感じながら、あたしはみんなの話に耳を傾けた。



「何か妙な話をしてるな……」