「あ、隆夢!ナイスタイミングー!」



いつもと同じように黒いスーツ姿の頼城先生が、仁志くんの言葉に呆れた顔をした。


だいぶ暑くなってきたからか

頼城先生は長袖のシャツを腕まくりしてる状態だ。


「いい加減その呼び方はやめてくれませんか? 今は先生って呼んで下さい」


「何言ってんだよ!?
ボタン2つも開けて黒いシャツ着てるような奴に、“先生”なんて呼び方似合わないってー!」


「確かに……。敬語を使ってても、ホストにしか見えないね」



先生の顔が、だんだん気まずそうに変わっていく。

だけどすぐに顔を元に戻して、そのまま何事もなかったみたいに話を変えた。