「ねぇ、もうすぐ面談あるよね? 大学決めた?」


「んー、まだかなぁ。でも、まだ本番までは時間あるし、少し偏差値高めの学校言っとけば良いんじゃない?

学部とやりたいことだけ決めとけばなんとかなるって!」


「2人とも、そんなこと言ってると、森田先生が泣きますよ。
さ、私語はやめて準備をお願いします」



教室のちょうど反対側からそんな会話が聞こえて

あたしの頭はクラス企画に戻ってきた。



……違う。 それはウソ。


正確には、頼城先生のことでいっぱいになって

別のトリップを始めた。