「今日は本当にごめんね。せっかくの誕生日だったのに」
「いいよ、そんなの気にしなくて。その分いっぱい奢ってもらうから」
「うー……。今月はお金が無くてピンチなのにー」
「だーめ。寝ていた葵ちゃんが悪い」
申し訳なくて謝ったのに、雛はそれを軽く受け流す。何でもないことのような扱い方に私は助けられ、雛の優しさに感謝していた。照れ臭くて言えないけど、雛にはいつも助けられてばかりだ。
雛、ありがとう。
「あ!先生が来るよ!」
「え!もう!?」
教室に飾られた時計を目にして、休み時間が終わっていたことに気が付く。
それから雛が言った通りにすぐ先生が来て、授業が始まった。
