ごまかすの下手くそ。


「...わかんなかった?俺の話聞いてた?」


「何が?」


これじゃ何もわかってない様子。


ちゃんとわかってもらうために言おう。


「今のは、最後のキスな?」


途端に悲しそうな瞳をした華恋。


"最後"という言葉に、心が揺れたのか。


「だから、今のは許してな?」


華恋は、口元だけ笑った。


「全部許すよ。.........の......す......ら」


華恋の声が途切れる。


何かにかき消されたのではなく、ただ単に声が小さくて。


「お兄ちゃんのキスなら、私いくらでも許す。これで最後なのは嫌だけど......バイバイなんだね」











約2ヶ月の"体"の関係は...1つの口付けだけで終わった。