なのにほら。


決めようとしてすぐ...2人で布団の中に潜り込む。


「...お兄ちゃんの布団の中、あったかいね」


柔らかく微笑んだ"女の子"の頭を撫でる。


華恋...?


この時間(くうかん)が、ずっと続けばいいのにな?


「俺、あったかいから」


...こんなふうに。


冗談を交えて笑う時間はいらない。


たぶん、お互いに。


俺は、華恋の体を抱きしめた。


寒いと言っていた君の冷たい指先が、俺の背中に触れる。


指先は、何かを伝うようにして動いていき、華恋の腕が背中に回ってきた。


「兄ちゃんさ、ちょっと嘘っぽく言ったけど、あったかいのは本当だよ?」


「そ?どーも」


俺の体が心地良いのか、華恋は俺の体に擦り寄るように、頭を俺の胸にくっつけた。


「......華恋」