まずはとメールの内容を読み返す。


華恋からのメール。


今日も行っていい?って...


今日も、母さんがいなかった日と同じことをするとでもいうのだろうか。


華恋から送られてきたメールの画面のまま、携帯を閉じた。


「...華恋?」


到底この声が、一枚壁を隔てたところにいる華恋に届くはずはない。


華恋がいる側の壁を見たって、妹と目が合うはずない。


直接の会話で聞きたいことがあるけど聞けない。


いいや。


返信してみよう。


俺は閉じた携帯を開き、ボタンを打った。


一分も経たないうちに打ち終わった、華恋への返信メール。


[Dear華恋
   何言ってんの?
Fromお兄ちゃん]


「...送信完了」


打つのに一分もかからないような、たった一言のメールの内容。


とにかく返信しようと、頭の中がほとんど白い状態で送ったメールは素っ気なく、冷たい内容になってしまった。