「華恋...?ここでもできるけど、ここで倒したら痛いよ?」


「痛くても耐えるよ」


「耐えながらしたら楽しくないじゃん」


硬いフローリングの上でなんて君を抱きたくない。


それに、家族の誰もが通る台所。


妹を抱いたという証が残ってたらどうしよう。


兄と妹が愛し合ったと気付かれたらどうにもできない。


だから、証拠が残っても多少安全な俺の部屋のベッドの上で君を抱く。


華恋は納得したのか、うんと頷いて台所の灯りを消した。


続けてリビングの電気も消す。


「......兄ちゃん、行こうよ?ベッド」


家の中の電気が消えて、何も見えなくて、周りで起こっていることがよくわからない。


状況が上手く掴めない中、華恋の声が聞こえた。


首に感じる人の温もり。


華恋の腕が俺の首に回されていた。


「行こっ...か」