短い時間ではあった。


時間は限られてたから。


母さんが帰ってくるまでの間。


夜が明ける、ギリギリ前までの時間。


俺達は、大きすぎる禁断を犯してしまった。


それも、俺の勝手な行動ではない。


俺が華恋を求めて、華恋が俺を求めた。


お互いに求め合って、犯した罪だった。


きつく手を握り合って、ひたすら唇を重ね合わせて、


声にならない声を漏らして、吐息を重ねて。


鼓動も確かめ合った。


兄妹でも、知らないことはあって、その知らないことを知って。