7月の終わり。


学校が休みで、中学からの友達の家に遊びと約束をしてた日。


「んじゃ行って来るー」


約束の時間に間に合うよう、


雑に言葉を放って、玄関を開けた。


うわ...


こんな外出たくない。


真夏の、暑そうな外の日だった。


「和也(かずなり)、ちょっと待って」


リビングから出てきた母さんの声に、仕方なく出そうとした足が止まる。