そんなこと、もう知ってる。

一時間ほど時間が経つと、華恋は「終わったぁ...」と、机の上に散らばった教科書たちをきれいにまとめた。


「ありがとね、教えてくれて」


椅子に座ってる華恋は、その横に立ってた俺を見て軽くお礼を言う。


ノートを教科書の上に乗せる華恋。


「じゃ、おやすみね」


華恋は俺の部屋を出て行こうとした。


妹の後ろを付いていく俺。


こんな時間になってる。


母さんが帰ってくるのは朝方。


夜が明けるまでに、十分な時間がある。


「わかりやすかった。........ぃちゃんの教え方」


しっかりと聞こえなかった華恋の"お兄ちゃん"。


しっかりと聞こえてなくても、何も言わないでおく。


「ばいばい」


華恋は、俺の部屋を出る。


電気がつく廊下。


行くの?


そうだよね。


寝ないとね。


でもさ............華恋?