そんなこと、もう知ってる。

ちゃんと呼んでくれないの。


だから、呼ばせてみるのもよくない?


「華恋?俺のこと、ちゃんと呼ぼうよ」


握っていたピンクのシャーペンをくるくると回し始める華恋。


「いつもいつも、"ねぇ"とか"あのさ"じゃ、誰呼んでるかわかんないよ?」


華恋は、回したシャーペンの手を止めた。


俺...


いけないとこ突いたかな。


いや。


わざと突いたんだよ。


俺のこと呼んでくんないから。