そんなこと、もう知ってる。

「私、あれからすぐ彼氏と別れた。他に、あんたじゃない好きな人がいるって。正直に言ったんだよ?私」


「...そうだったの?早く言えよ。ったく」


「ごめん...」


彼氏と別れたなんて、今の今まで俺のところに伝わってきてなかった情報である。


男と付き合い始めても、そいつと別れて関係が終わっても、華恋の瞳の色は少しも変わることがなかった。


だから、何も聞かないでいたら俺が知らないところにある、華恋と男の関係についてなんにも知ることはなかっただろう。


「なんか、お兄が出かけて一人になったら急に、不安になった。私は和也のことがすきだけど和也には彼女がいるし、それにたった今彼女とのデートだ、って行って家出たばっかりだし。あれ?もしかしたら、私だけひとりぼっちなの?みたいに思えてきて。

和也、彼女さんのこと好きなのかなって。そしたら、寂しくなって私の片思いかもっていろいろ考えちゃって、無性に和也に会いたくなった。

だけど、和也は彼女さんといるから今呼び出したら迷惑かかるし...どうしようって迷ってた。悩んで考えても、もちろん誰かに相談できることじゃないし、相談するまでのことでもないし。1人でいるうちに時間だけが過ぎた。

矛盾してた。私だけの空回りかもって思う反面、和也は私を選んでくれるって期待してた。試すみたいになるけど、メールしたの」


華恋は"最低な妹だよね"と付け加えて笑った。


更に、


「いきなり、わけわかんないこと喋っちゃったね」


とも付け加えた。